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2019-04

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「舞台より素敵な生活」(2000年/米)

半端なく映画は観ているものの、ブログは全く更新する気力にならず、もうこのブログの筆者は遁世してしまったのではないかと勘繰られてブログを消されかねない時期にまで達してしまったような気が……
しかしそんな不穏な影など気にもせず、なにごともなかったかのように更新をふらっとしていこうと思います。なにか名作についてここに記載することで華々しくカムバックできればよかったのだが、まぁ、振り返ってみれば割と世間ではB級と目されているような作品ばかり紹介しているこれまでの例に従って、記録されなければ記憶から徐々に追いやられていきかけない作品について。

最近監督をしなくなり、盟友ポール・ニューマンも逝ってしまい、すっかり寂しいロバート・レッドフォード(以下R・R)が製作総指揮を務めた微笑ましいホーム・コメディである。R・Rが関わる映画と云えば、直接にせよ間接にせよ政治的なメッセージが込められているものと云う印象があるが、本作はその意味で例外と云えるだろう。しかしそれは功を奏したようで、<現代的な家族>と云うモチーフを、皮肉と希望を込めた温かいコメディとして上手に料理しているように思われる。

劇作家のピーター(ケネス・ブラナー)は、新作戯曲の上演を前にしてスランプに陥っていた。また私生活では妻(ロビン・ライト・ペン)に子供を熱望されて、大の子供嫌いとしては辟易する一方。そんな中、更に悪いことに、むかいの家に母子家族が引っ越してきて、偶に少女を預かることになってしまい……

あらすじを追っていくと、「不運な主人公」「子供のいない夫婦」「問題アリの隣家の子供」と云ったいやでも目に付くような火種の数々が様々な問題を(予想通り)起こしながらも、どうせ安易にもハッピー・エンディングになるのでは、と嗅ぎつけられることだろう。
しかしこの映画の強みは、いわばこの種の映画にありがちな微笑ましい空気に支配された逸話の羅列と感動的なラストをストレートに売りにしていないことだろう。すなわち、多数の世評が「中途半端」と感じ、かつこの映画自体をそう判断してしまった原因としての表面的な<舞台>の物語には終わらない、重層的な仕掛けこそがこの映画のポイントである。
この重層的な構造を理解いただくうえで最も忘れて欲しくないのは、映画の冒頭部分である。冒頭場面では『How to Kill Your Neighbor’s Dog』という新作舞台が主人公の手によって発表されている。そう、この映画はひとつの<舞台>の発表なのであり、この映画で主に私たちが楽しむこととなるのは当該<舞台>なのである(したがって先の批評もこの<舞台>について終始するものが多い)。実に気の利いた趣向であり、この趣向ゆえにケネス・ブラナーの配役もうれしい。
そしてもちろん内容とて愉快だ。他人はもちろん、親密なはずの夫婦の間にも実は存在している微妙な距離感を軽妙に描き出し、現代の<舞台>的な面白さをもたらしてくれる。小品としては期待通りの良作と評価されるのが妥当であろう。
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晋撰堂

Author:晋撰堂
晋撰堂は京極夏彦の京極堂シリーズにかぶれていた頃に命名。
自分の名前にも由来していますが、文化的娯楽作品から気が向いたものを取り上げてレビューを書いていこうと思います。たまに雑記と称して日々の雑念も放出します。
ただ問題は、ほとんど更新をしないということ。休眠状態を常としている現状ですが、もっと気軽に書けるよう努力してみようかと思ったのも、本日の気の迷いかもしれないです……

コメント、リンク等も何卒御気軽に。

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