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2019-01

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映画監督・市川崑

誠に残念です。
2008年2月13日午前1時55分、監督市川昆氏が肺炎のため東京都内の病院でお亡くなりになりました。
僕はまだ浅学にして市川作品に触れた機会は数えるほどしかないけれども、横溝正史の金田一シリーズを映画化した旧五作品に限るならば大ファンだった。
現代的な感覚に染まりきってしまっては中々理解することのできない金田一シリーズのムラ社会的世界観を見事に映像として焼き映している傑作だ。閉塞的な人間関係。「読みすぎる」ために凍てついた空気。ぶちまけることができずに堆積していく怨念。そしてそんなことに構うことなく奔放な美しさを見せる自然風景――。もちろんこれは作風に合わせて重苦しい印象を強調しているだけなのだけれども、この世界観を創り出すことが如何に難しいことか。共時的に虚構でしかないことを自覚した真実性の投影と映画を意味づけるならば、まさにそれを理解している数少ない映画を市川監督幾つも世に送り出してきたのだ。
それ故に演出における芸術表現にも一流の拘りが見られる。カラーと白黒を巧みに使い分け、時には(当時は新感覚であった)アニメや人形劇を取り込み、ジャズを音楽として使う。また画面を複数に割って多数の人の表情を同時的に追ったり、同じ瞬間を様々な角度から撮りそれをフラッシュのようにつなげていったり、映像の中心となる被写体をぼやかした障害物越しに映したり、と計算された工夫が随所にあり楽しませてくれる。
またどの登場人物も非常に魅力的に描かれている。だからこそ日本映画界を代表する大御所俳優たちがこぞって出演したのも分かる。
数多く作られた金田一映画のなかでも市川作品に横溝正史本人が出演しているのもこれらの理由によるものではないかと思う。
『悪魔の手毬唄』が最高傑作との呼び声が高いが、僕は『獄門島』や『犬神家の一族』も捨てがたく思う。『女王蜂』や『病院坂の首縊りの家』、そして新作の『八つ墓村』と『犬神家の一族』も含め、是非鑑賞してみることを御薦めしたい。
これからきっとどこかで市川昆特集が組まれることと思う。そのときには市川監督の他作品を僕も心して鑑賞しようと思う(余談ではあるが市川昆が関係した最後の映画はもしかしたら三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー(仮)」(6月以降公開予定)かもしれない。市川ファンとしても三谷ファンとしても観なくては......)。

以下簡単な市川監督のプロフィールを紹介する。
東宝のアニメーターとして出発した市川昆は1945年に人形劇『娘道成寺』デビュー。その後精力的に映画を製作・発表していき、1955年に『ビルマの竪琴』で一躍名監督の仲間入りを果たした。さらに文芸映画を中心に『鍵』、『野火』、『炎上』、『破戒』、『黒い十人の女』、『日本橋』、『ぼんち』、『私は二歳』、『雪之丞変化』など名作を毎年のように発表して地位を確立した。
やがて映画産業の斜陽をもたらすことになるテレビの隆盛が始まり、映画関係者の中にはテレビに敵対意識を持つ者が多いなか、崑は逆に新メディアの可能性に注目してこの分野に積極的に進出。フィルム撮りのテレビ映画やCMにはじまり、ビデオ撮りのドラマから実験期のハイビジョンカメラを使ったドラマ、さらには生放送ドラマまでを手がけ、テレビ史においても先駆的な役割を果た。1972年に監督・監修を手がけた連続テレビ時代劇「木枯し紋次郎シリーズ」はその斬新さから今日では伝説的な作品となっている。
1965年には総監督として製作した『東京オリンピック』が一大センセーションを起す。崑はオリンピックは筋書きのない壮大なドラマに他ならないとして、開会式から閉会式に至るまでの緻密な脚本を和田夏十(妻にして長年の仕事としてのパートナーでもある)・谷川俊太郎・白坂依志夫とともに書き上げ、これをもとにこのドキュメンタリー映画を撮りあげた。しかも冒頭に競技施設建設のため旧来の姿を失ってゆく東京の様子を持ってきたり、一つのシーンを数多くのカメラでさまざまなアングルから撮影したり、望遠鏡のような2000ミリ望遠レンズを使って選手の胸の鼓動や額ににじむ汗を捉えたり、競技者とともに観戦者を、勝者とともに敗者を、歓喜とともに絶望を描いたりするなど、従来の「記録映画」とは全く性質の異なる極めて芸術性の高い作品に仕上げた。一部から「記録性に欠ける」との批判を受けたことから「『東京オリンピック』は記録映画か芸術作品か」という大論争を呼び起こすことになったが、これは紛れもなく傑作というに値するものだろう。
1970年代は横溝正史の「金田一耕助シリーズ」を手掛け、絢爛豪華な映像美と快テンポの語り口で全作が大ヒットとなった。さらに『細雪』、『おはん』、『鹿鳴館』などの文芸大作、海外ミステリを翻案した『幸福』、『四十七人の刺客』『どら平太』などの娯楽時代劇など、多彩な領域で成果を収める。90歳を越えた2006年には30年ぶりに金田一耕助シリーズのひとつ『犬神家の一族』をリメイクするなど、晩年に至ってもなおその旺盛な製作意欲は衰えることはなかった。
(wikipediaより一部省略・修正)

ご冥福をお祈りします。
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Author:晋撰堂
晋撰堂は京極夏彦の京極堂シリーズにかぶれていた頃に命名。
自分の名前にも由来していますが、文化的娯楽作品から気が向いたものを取り上げてレビューを書いていこうと思います。たまに雑記と称して日々の雑念も放出します。
ただ問題は、ほとんど更新をしないということ。休眠状態を常としている現状ですが、もっと気軽に書けるよう努力してみようかと思ったのも、本日の気の迷いかもしれないです……

コメント、リンク等も何卒御気軽に。

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