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2019-04

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バニシング・ポイント (1971年/米)

―これほどまでに格好良い映画はそう更にない。
こう云わしめるのは、何も僕が耽美主義的傾向があるからではない。
兎に角、「格好が良い」と云う言葉はこの映画の為にあるようなものだ、とさえ思えてくる。

画面は謎多き男――コワルスキーが白のチャレンジャーに乗って只ひたすらに続く道を爆走しているところから映し出される。その後、物語は特に展開を見せない。友人と賭けをし、自らその対象となってサンフランシスコまでの広大な道のりを走り続ける。スピード違反のため追ってくる警察を激しいカーチェイスの末に振り切り、途中で出会った様々な人々に助けられ、警察の情報を盗み聴いたラジオDJからは番組で応援される。

途中で出会う人々が、当時の世相、サブカルチャーを反映していて、また良い。
当たり前のようにヤクに手を出す若者、根強い差別を受ける黒人、腐敗する警察組織、オカマの強盗、ヒッピー......
絶対的繁栄が崩れ去り、信じるべき大きな物語を失ったアメリカの暗澹たる日々。そこに彗星の如く現れたコワルスキーは、その失墜した楽園に反旗を翻すヒーローのように目に映ったのかもしれない。
しかし、彗星の一生と云うものは、皆一様に運命られている。

主人公コワルスキーは自らの事情を語らない。しかし時々挿入される彼の追憶の情景から、どうやら彼には自分の心にとても素直であり続けた結果命を落とした彼女が居たこと、かつて警察だった彼は、一個人では太刀打ちできない暗黒部が蔓延っていることに直面したことを知らされる。
それに関わって、彼の疾走も潔く幕を引く。
そしてそれが映画のラストでもある。
それ迄の爽快感が遠い夢幻のように思われてしまうそのラストは甚だ空空しく感じるが、そこがアメリカンニューシネマの真髄なのだ。
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晋撰堂

Author:晋撰堂
晋撰堂は京極夏彦の京極堂シリーズにかぶれていた頃に命名。
自分の名前にも由来していますが、文化的娯楽作品から気が向いたものを取り上げてレビューを書いていこうと思います。たまに雑記と称して日々の雑念も放出します。
ただ問題は、ほとんど更新をしないということ。休眠状態を常としている現状ですが、もっと気軽に書けるよう努力してみようかと思ったのも、本日の気の迷いかもしれないです……

コメント、リンク等も何卒御気軽に。

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