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2019-01

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黄金を抱いて翔べ (1990年/新潮社)

言わずもがなだろうが、本書は1990年に発表された高村薫のデビュー作にして日本推理サスペンス賞受賞作だ。

実務能力に秀で大望を抱く男・北川の呼びかけによって集まった四人+一人――友人にして金庫破りの名人・幸田、イケメンコンピューター技師・野田、爆弾のエキスパートで元北朝鮮工作員・モモ、元エレベーター整備士で謎多き老人・岸口、そして計画を盗み聴きして加担することになった北川の弟・春樹だ。この六人の男たちが狙うものは、銀行の地下に眠っている六トンもの金塊だった!!

『大阪の夜空の下に散る男たちの影が、金塊のきらめきに変わる!!』
そんな売り文句を帯に付けたくなってしまうハードボイルドな小説だ。
しかしそんなに首尾よく目的のブツを手に入れられる訳ではない。実質的な主人公の幸田を中心とした各々の過去と、更に様々な者共の思惑が絡まりあい、もう息をつく暇もないような展開を見せる。
それにしても「これがデビュー作!?」と驚愕するほどディティールが細かい。複雑な電気回路の説明やら、朝鮮との国際情勢やら。そのリアルさと云ったら、この話がまるで昨日ニュースで見た出来事かと勘違いしてしまうほどだ。そして「そうか!完全犯罪はこうして成立していくのか......よし、僕もひとつ!!」と野心を抱いてしまう(いえ、冗談です。僕はあくまで合法的な人間ですよ?信じてください)。

「信じるものは、救われる」
そう、著者が国際基督教大学出身と云うこともあって、少しばかり聖書や教会も絡んでくる。

少し話は逸れたが、兎に角、「金の延べ棒を抱いて眠りたい!」等と日々夢に思い描いている人(?)も、そうでない人も、必読ですよ!

それにしても金の延べ棒なんか普通に持っている人なんか居るのだろうか?
二年前位に、都内の豪邸に住む無職の初老の男が逮捕されたと云うニュースを耳にした。なんとその男、三十余年に渡って空き巣を生業とし、遂に現行犯逮捕に至ったのだと云う。そしてその男の屋敷のなかはサバくにサバけなかった美術品や高級家具等々に溢れており、その中のひとつとして金の延べ棒もあったらしい。もう、現代のルパンだ。当時僕は不謹慎にも感動してしまったのをよく憶えている。

再度話が脱線した。つまり僕自身、読後の感動が未だ冷め切れていないと云うことだ。
最後に、この本を読み終えて唯一疑問に残ったことがあるのだが、作中で幸田が買ってきた寿司と牛乳のとりあわせは一般的なのだろうか?僕は想像してみて気持ち悪くなってしまった......
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晋撰堂

Author:晋撰堂
晋撰堂は京極夏彦の京極堂シリーズにかぶれていた頃に命名。
自分の名前にも由来していますが、文化的娯楽作品から気が向いたものを取り上げてレビューを書いていこうと思います。たまに雑記と称して日々の雑念も放出します。
ただ問題は、ほとんど更新をしないということ。休眠状態を常としている現状ですが、もっと気軽に書けるよう努力してみようかと思ったのも、本日の気の迷いかもしれないです……

コメント、リンク等も何卒御気軽に。

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